【合格体験記】E資格 2025#2

8月末に受験したE資格の合格発表があり、無事合格していました。
この試験の合格率は毎回7割程度ありますが、決して容易に取得出来る試験ではありません。
またこの試験を受験するためには、JDLA認定プログラムに指定された講座を修了している必要があります。

試験の概要

ディープラーニングの理論を理解し、適切な手法を選択して実装する能力や知識を有しているかを認定する試験です。

問題数 100問程度
合格スコア 不明(65%程度と言われている)
出題形式 多岐選択式
試験方法 CBT(Computer Based Testing)形式
試験時間 120分
受験料 33,000円(税込)

試験対策

受験時の自分のスペック
・G検定は2年半前に取得済み
・他にもクラウド系のAI資格を幾つか取得(プロフィール)
・E資格に出題される数学の知識はなし
・Pythonはエキスパートレベルだが、PyTorchやTensorFlowは触ったことがない

JDLA認定プログラムはAI研究所(株式会社VOST)のE資格対策ディープラーニング短期集中講座(eラーニング)を受講しました。


この講座の特徴としては、値段が安くて(eラーニング 54,780円)短期間で終了することが出来るという点が挙げられます。
自分は毎月1~2個のIT資格取得を目指しているので、長期間1つの試験に時間を割くことは出来ません。
その点この講座は、事前学習+本講座を5日で終えることが出来るので、非常に自分のニーズに合った講座でした。(何度でも講座は視聴し直すことが出来ます)
また高いものだと50万円を超える講座もありますが、eラーニングだとこの講座は5万5千円と安いのも魅力です。
5万円程度の講座は他にもありますが、自分のように数学部分も学習したい、フレームワーク未経験という人間にも対応していてバランスが取れており、色々な認定プログラム紹介サイトで1番のお勧めになっていることが多い講座です。

一応補足情報ですが、高額な講座は専門実践教育訓練助成金の対象になっているケースが殆どですが、専門実践教育訓練助成金には受給資格というものがあり、自分は対象外なので安い講座を探すしかありませんでした。
ただ高い講座は合格率9割超を謳うところも多く、サポートもしっかりとしているので、絶対に合格したいのならそちらの方がいいかもしれません。
特にPythonを使ったことのない方は、Pythonの基礎から教えてくれるそういった講座を利用するのがいいでしょう。

安価な講座は受験資格を得るものだと割り切り、実際の勉強は自分で行う必要があります。
あとラビットチャレンジという最安の講座もありますが、終了条件が厳しいという話を聞いていたので、ここは避けました。
因みにAI研究所の講座をeラーニングで受講すると、全ての動画を視聴するだけで終了手続きが出来ます。

問題集は黒本も出ていますが、自分は「深層学習教科書 ディープラーニング E資格 精選問題集」を使用しました。


ただこの問題集、凄く間違いが多いです。
自分は電子書籍で購入しましたが、殆ど訂正もされていませんでした。(訂正表は翔泳社のサイトにあります)
自分はKindle版を半額セール時に購入しましたが、6,600円もするのだから電子書籍くらいきちんと訂正しろよと思います。

自分はこの問題集をメイン教材にしたのですが、その理由はアマゾンのレビューにこの問題集で合格出来たというものが数件あったからです。
また所詮合格率7割の試験なので、結構ボリュームのあるこの問題をこなしておけば合格出来るのではないかという思い込みもありました。
しかし実際の試験はこの問題集よりも難しかったです。
そういった意味では黒本の方が問題も難しく解説もしっかりしていると聞くので、そちらを使用した方がいいのかもしれませんが、E資格については2年毎にシラバスが変更されます。
黒本は2021年の発行ですので、現在のシラバスに全く対応していません。
またアマゾンのレビューでは、掲載されている問題自体最新の出題傾向と違うというコメントがあったため、自分は利用しませんでした。

今回全部で1か月間勉強しました。
実際の勉強方法ですが、当初7月上旬に5日間で一通り講座を視聴し、受験資格を得ました。(講座は全て2倍速で視聴しています)
それから別の資格の勉強を始め、E資格の勉強は一旦中断しました。
何故このようなことをしたかと言うと、E資格は認定講座を終了した後に修了認定を貰い、修了者ナンバーを試験の申し込み時に入力する必要があります。
今回8/29~8/31の3日間で行われましたが、都内だと申し込みが遅くなれば自分の受験したい日・場所で受けれなくなるという話があったため、修了認定を貰うために先に講座の視聴を済ませました。
修了認定がメールで届くとすぐに、電車の乗り換えなしで行ける試験会場に8/31午後で予約を入れて、その後別の資格の勉強に移りました。

次に勉強を再開したのは8月に入って少し経ってからでしたが、結構間が空いて講座の内容も忘れてしまっていたため、2回目の講座の視聴を4日かけて行いました。
ただ2回目を見ても余り理解出来なかったので、間を開けず3周目の視聴をしました。
この時はある程度分かっている部分は飛ばし見したので、3日間で視聴が終わりました。

E資格の勉強で大変なところは、どう勉強すればいいかが分からないというところです。
自分のいつものIT資格の勉強法としては、まず合格体験記を漁ってどうやって勉強すれば合格出来るのかを大体イメージしてから勉強に取り掛かります。
しかしE資格の場合は認定プログラムという前提があり、異なる認定プログラムを受講している人の話は余り参考になりません。
サポートの厚い高額な講座を受講したなら、その講座のカリキュラムに従えばいいと思います。
実際高額な講座の受講者の合格体験記では、その講座の内容だけで合格は可能という記事も見受けられました。
逆に安価な講座を受講した場合は、何をどのように勉強すれば合格レベルに達するのかが全く分かりません。

なので自分は上で挙げた精選問題集をメインに取り組みました。
覚えるためにはアウトプットの方が効率がいいので、そのため問題集を使用するというのは合理的だからです。
ただ出題範囲全てが精選問題集に網羅されている訳ではないので、そこに不安はありました。
しかし講座を視聴するのは凄く時間がかかりますし、アマゾンのレビューは概ね低いですがこの問題集で合格したという人もいることから、誰か他の人が出来ているなら自分に出来ない筈はないという考えで、問題集を繰り返し内容を頭に入れていくという勉強法をとりました。
その根底には上にも書きましたが、高い合格率の試験なので、今までの経験からしてもこの程度勉強すれば受かるのではないかという甘い考えがありました。

割と時間ギリギリでの勉強となってしまったため、AI研究所の配布している百数十問の問題・解答集に着手出来たのは試験前日になりました。
そしてその後、AI研究所の講座で配布されているテキストを読み込みました。
このテキストは講座の動画に表示するためのものなので、パワポの文字を少し小さくした位ものを想像してもらえればいいと思いますが、それでも1300頁超と結構ボリュームのあるものです。

しかしこのテキストの読み込みこそが、一番効果的な学習法だと思いました。
数式とか用語・図表とかも網羅されており、これらを全て覚えておけば、試験の合格は間違いないのではないかと感じました。
テキストの読み込みは完全に自分のペースで進められるので、覚えたいところを重点的に読み返したり、逆に重要でない部分は斜め読みで素早く終わらせることも出来ます。
更に動画視聴のように時間もかかりません。
試験前日夜になって、やっと勉強法の正解に辿り着いた気がしました。
ただし数時間で全部を覚えられるわけもなく、このテキストを使っての勉強法にもっと早く気が付いていればとかなり後悔しました。

AI研究所の講座ではglossaryという用語集も配布されており、これには数式やPythonのプログラムまで入っているのに結構コンパクトにまとまっています。
講師の方が講座の中で、過去これが非常に役に立ったいう受講者がいたという話をされていたのですが、実際のところこの用語集だけでは全くもって不十分だと思います。
やはりフルサイズのテキストで、出題されそうなところを全て覚えるくらいのことをしないと、自信を持って試験に挑むことは難しいと思いました。

試験の感想

まず受験会場はいつもピアソンVUEの試験とかで使っている会場だったのですが、メモがいつもの消せないボードと、すぐ乾く細字のマジックペンだったのはいかがなものかと思いました。
都内の色々な会場で試験を今まで受けてきましたが、どこの会場も同じような物を使っているので、ピアソンVUEの規定なのかもしれません。
ただE資格ではメモが必要なことも多く、少し考えながら書いているとすぐにマジックが乾いて書けなくなり、結構やり辛かったです。
ただ他の人の体験記を見ると紙を3枚渡されたという記載もあり、試験場によって違うのかもしれません。

試験内容についてですが、一番驚いたのが講座ではシラバス範囲外になっている所から1割程度出題されていたことです。
シラバス外の所は全く勉強していなかったので、正直面くらいました。
自分は勉強方法を間違ったために必要な部分全部を覚えきれておらず、この勉強していない1割のせいで正直不合格の可能性の方が全然高いと試験直後は思いました。
まあ何だかんだ合格していて良かったです。
因みに自分の得点率は加重平均して7割前後だと思います。

単純平均で得点率を計算している方もいますが、深層学習だけで5割出題の意味がなくなるので、加重平均が正解だと思います。
2025#1では55%で合格している方もいらっしゃるので、一般的に言われている65%が最低ラインと言うのは間違いです。
ただし合格率の調整の結果こうなったと思いますので、試験が難しければ得点率の合格最低ラインは下がり、試験が簡単ならば合格最低ラインは上がる筈です。
なので一概に55%得点すれば合格するとは言いきれず、やはり65%位を目標に勉強するのがいいのかと思います。(半分ちょっとの正解を目標にする勉強と、2/3の正解を目標にする勉強では大きく異なるため)

これから受験する人へのアドバイスとしては、以下の2点です。
・シラバスから外れたからといって出題されないわけではないので勉強は必要
・問題集はあくまでも補助教材に過ぎず、全体を万遍なく覚える必要がある

また何を学びたいかのニーズにもよりますが、もし給付金の受給資格がある人なら、高額な講座を受講するのもいいと思います。

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